madao

アニメオタク外人さん(主)
待望の銀魂新作の放送が再開され、高品質のエンターテイメントが復活した
銀魂ユニバースには非常に多彩なキャラクターがいる
痔の忍者、サディストの隊長、ゴリラの局長、不気味なペットを飼っている攘夷志士など
今回はこの中から特定の興味深いキャラクターを見ていこうと思う

The MADAO
マダオとは多くの意味を持つ頭字語であり、絶望的、悲劇的な人生を表している
不器用なホームレス、一日中何もせず酒を飲み人生を無駄に過ごしている浮浪者
何をしようがその悲惨さからは逃れられない人物
略語が意味する内容は下記の通り

Middle Aged Dumb Ass Oldies
MAtomo ni DAkaretakunai Otoko(誰にもデートを望まれていない男)
MAjide DAssai Oyaji(本当にイケてないおっさん)
MAssugu ikite no DAinashi na jinsei na Ojisan(好きなように生きても何も達成できないおっさん)

アニメ188話ではユニークな髪型の子供がマダオの観察日記を読み上げた
「マダオは公園のヌシです。髭の生えたグラサンの生き物で、基本一日中働かずに公園でじっとしています」
LOL マダオには希望があるのか? いつ安定した職に就くのか? いつ幸せになるのか? なぜこんなことをしているのか?

答えはマダオの哲学にある
具体的に言うならば、長谷川泰三の哲学にある

彼は本質的に利他主義者で実存主義者だ

1)利他主義マダオ

利他主義とは「他者のために己を捨てる信念を持ったり実践したりすること」と定義されている
長谷川がいかに利他的かを見ていこう

95話で彼は誤って女性にキン肉バスターをかけた疑いで刑務所に送られてしまう
当然それは事故だった
裁判で彼は勝訴し、刑の代わりに奥さんとの関係を修復するよう言われた
彼は恥ずべき事実を受け入れて奥さんのためにそれを行った

248話『マッドドッグマダオネア』はスラムドッグ・ミリオネアのパロディで、金持ちになりたい男としてゲームに参加する

桜島千春はマダオネアに出場したいという夢を語る
金持ちになれば借金が返済できるし、テレビに出ているところを見て蒸発した父親が戻ってくるかもしれない
その後回想が続き、母親が病気になり千春はホームレスになる
そして長谷川が世話をする

公園で共に眠るうち彼らは近づいていく
結局、長谷川は千春の父親になる

なんで俺は泣いてる?

その後父親が帰ってきて、長谷川が借金を肩代わりすることになる
だから彼はマダオネアに出場した
千春の家族を救うために金を稼ぐ
他人のために責任を負った
結果取り立て屋に苦しむハメになるが、千春を幸せにすることはできた

ここで188話に戻ってみよう
大五郎が観察日記を発表するエピソードだ
彼は長谷川を家に連れ帰り世話をしてやる
大五郎はマダオを犬として飼った

この日記には大五郎にはかつてマダオである父親がいて、彼とお母さんを不幸にして家を出ていった事情が書かれていた
最終的に大五郎のお母さんがマダオに関心を寄せるようになり、長谷川は家族として迎え入れられることになった
さらには就職のチャンスも見つけた

面接の待機中、長谷川はマダオではなくなった大五郎の父親と出会う
父親はどうやってマダオを脱したのか、就職することで家族の元に戻れるのではないかということを話す

残念だがそのポジションにいられるのは1人だけだ

長谷川はわざと酔っ払って暴れ、大五郎の父親に職を譲った
当然その結果大五郎のもとに戻れなくなるだろうことは分かっている
彼は姿を消し、公園のヌシに復帰してポジションを開けてやる

その後大五郎は公園のベンチで長谷川と再会する
わざと暴れて就職しなかった長谷川に怒りをあらわにするけれども、なぜ彼がそうしたのかちゃんと理解している
家族が再会できるよう自分から身を引いたのだ

2)実存主義マダオ

実存主義では「人は自らの自由意志でもって行く先を決めるべき」と言っている
外部の力に頼るのではなく自分自身で良くなっていこうという考え方だ
『ツァラトゥストラはこう語った』おいてニーチェはこう言っている
「弱者は宗教、ナショナリズム、民主主義、あるいは別の手段で現実から逃避する」

人間は社会が定めた倫理規範から離れた形で価値観や信念を作り上げるべきだ

7話で長谷川は宇宙人に支配された江戸政権下で働いていて、宇宙人のペットのタコを保護しなければならなかった
最初は仕事に忠実だった彼も銀時の行動に突き動かされ、宇宙人を殴り職を失うことになる

その瞬間、マダオは生きるのために多数派に従うのはやめようと決意し、たとえ危険であっても自分の道を行こうと決めた

同様に95話でも決意が見られる
上で挙げた裁判のエピソード

まず彼は幸福は決して得られないだろうと考えている
銀時に首吊り用の縄を持ってくるよう頼むが、銀時は拒否し弁護士として登場する
語られるマダオの過去
彼がいかに「こうでなければならない」に逆らってきたのか

人は克服するものだ
だからこそニーチェは『ツァラトゥストラはこう語った』で「良い生」がなぜ良い生なのか突き詰めるよう模索することが良い生に繋がると書いている
『人間は克服されなければならない何かだ。君は徳を愛するだろう。それによって滅びるとしても』

16話で長谷川は失業している
欲望が苦しみを生むとしても、とにかく仕事を探しはめる
最終的に彼のアイデンティティを成す重要な要素であるサングラスを犠牲にしてタクシー運転手になる

仕事で宇宙人の王子を乗せているときに、今にもお産が始まりそうな妊婦に出くわす
宇宙人は妊婦を無視するよう言うが、長谷川は宇宙人の顔面を殴りつけ仕事をやめた
彼はなぜ仕事をクビになったのか尋ねる神楽
長谷川は仕事よりも自分の価値観や信念を優先させる
だから失業したのだと彼は答えた

自分を貫き通した結果惨敗する彼を愛してる
長谷川はアニメの中で何度も自殺しようとするが毎回失敗している
彼が本当に惨めだとしたら、なぜ「死ねない」のか?
これはジャン=ポール・サルトルが打ち出した実存主義の概念である『実存は本質に先立つ』のせいだ

彼はこの『実存は本質に先立つ』を説明するために「本質は実存に先立つ」について話す
例として挙げられているのはペーパーナイフ職人だ
職人はペーパーナイフを作る前に、それが作られる理由を知らなければならない(紙を切るのに使う)
つまり作られる前にペーパーナイフの本質は決まっている

もし神が存在するならば神が職人だ
我々人間がペーパーナイフ
つまり人間の本質はあらかじめ神に定められていて、自分自身でどうこうすることはできない
自由意志がない
よってサルトルにとって神の存在する世界が「本質は実存に先立つ」になる

サルトルは人間が先にいたと信じてる
だから我々は自分自身を定義づけたり、何のために生きるのか自分で決めることができる
著書『実存主義とは何か』でこう書いている

『最初人間は何者でもない。自分自身でそれを創り上げる。したがって人間の本質はあらかじめ決められておらず、実存が先行した存在である。だからこそ、人間は自ら世界を意味づけ行為を選び取り、自分自身で意味を生み出さなければならない』

ニーチェは『偶像の黄昏』でこう書いている
『なぜ生きるのか知っている人間はどんなことにも耐えられる』

まぁ、哲学たっぷりって感じやね
これが長谷川とどう関係しているか
彼はアニメを通して多くの不幸を経験する
それでも死なないのは、それが彼の人生の理由、本質だからだ
マダオの本質とは、別れた妻ハツとの未来だ

155話で長谷川と銀時は競馬に負けるが、長谷川は諦めない
たとえパンツ一丁になってもハツがいるから耐えられる
このように、どれだけ不幸になっても彼は挑戦し続ける
ハツとの幸福な未来を目指して

結論

マダオは「成功するためなら何でもしろ」ということを我々に教えてくれている
「本当に必要なものさえあれば最小限のものだけで生きていける」ということも教えてくれる

これを読んだ人が面白いと感じてくれたり、悟ってくれていたら幸いだ
Thanks for reading. :)


アニメオタク外人さん
なんでこれを全部読んでしまったのか分からん

アニメオタク外人さん(主)
>>2
それは君があまりに多くの暇があるマダオだからさ


アニメオタク外人さん
>>3
もし俺がマダオじゃなかったらチップを渡してた


アニメオタク外人さん
長谷川が自分自身に打ち勝ってハツと暮らすようになるまで銀魂は終わらない


アニメオタク外人さん
おお……
こいつは文化人だね


アニメオタク外人さん
コメディ回の出来がいいから長谷川は銀魂でお気に入りのキャラクター
この投稿を読んで愛が増した


アニメオタク外人さん
マダオは愛である
マダオは人生である


アニメオタク外人さん
よく説明されてるようだ
マダオ哲学はsaiko-desu !!

10 アニメオタク外人さん
マダオはいつ咲きますか?


引用元